英国で2022年6月から半年間かけて行われていた、給与はそのままで週休3日制を実施する「世界最大規模の実験」がついに終わりました。
そして先日、調査結果を分析した正式な報告書が発表されたのですが、その結果が少し予想外だったので共有していきたいと思います。
週休3日制実験の最終結果が意外だった！
これまで週休3日制に対する小規模な実験はいくつか行われてきましたが、今回行われたのは英国企業61社と従業員約2900人が参加する「世界最大規模」の実験です。
↓その結果がこちら。
調査結果を分析した正式な報告書によると、週休3日制は従業員の幸福にプラスに働くという。71％が「燃え尽き症候群の程度が低下した」と回答。「ストレスが軽減した」と答えたのは39％で、反対に増加したとするのは14％だった。睡眠不足も40％が減少したと回答したという。
財経新聞
雇用者側に関しても実験期間中の離職率が平均57％減少、期間中の収益が平均1.4％増加といった成果が出たとしている。実験に参加した企業の90％以上は今後も週休3日制を続けるつもりだとしている。
週休3日制による「労働者側」のメリットをまとめると、
- 燃え尽き症候群が低下
- ストレスの軽減
- 睡眠不足の減少
「雇用者側」にとっては、
- 離職率の減少
- 売上高の増加
のメリットがあり、週休3日制は労働者・雇用者どちらにとってもメリットが大きいと言う結果になりました。
このデータからわかるのは、労働者がしっかり休息を取れていれば、これまで働いていた1日分の仕事がカバーできるどころか、生産性までアップしてると言うこと。
事実、週5日勤務→週4日勤務に勤務日を減らしたにも関わらず、売上高は増加しています。
個人的には「生産性はそこまで落ちない」または「変わらない」くらいの結果を予想していたので、まさか売上高が上がるほど生産性がアップするとは意外でした。
もちろん職種や業種によって結果は変わってくると思うので一概には言えませんが、この結果を見ると、そもそも週5勤務自体が働きすぎ&異常であったように感じます。
普通に考えて週5日働いて蓄積された疲労やストレスをたったの2日で解消するなんて難しいし、育児や介護など家庭のことがある人も多く、休み2日間をまるまる休息に充てれる人は稀なはずです。
疲れが解消できてないまま働き続けても余計にストレスは溜まっていく一方だし、そりゃあ生産性もパフォーマンスも上がらないのは仕方ないですよね(^_^;)
今回の実験から、人間にとって休息がどれだけ大切で必要なことであるかがわかりました。
ちなみに、
実験の参加者2900人のうち「週休２日に戻りたい」と回答した人はゼロで、
15％の人は「いくらお金を積まれても週休２日制には戻れない」
42%の人が「週休２日に戻すとしても26%〜50%の賃金アップが必要」
と回答したとのことです。
給料はそのままで休みが増えるんだったら、そりゃあ誰も週休2日には戻りたくないですよね！誰が戻りたいと思うんだよ！って感じです。笑
今回の実験から、休みを1日増やしても「生産性は落ちないこと」「企業側にもメリットがあること」がわかったため、実験に参加した90％以上の企業は、実験終了後も週休3日制を続けるつもりらしいです。
実験は半年だけだったので、繁忙期か閑散期かなどによっても変わってくると思うし、長期的に見た場合や、「週休3日制が当たり前」になった後もパフォーマンスが変わらないのかなど興味があるので、どうせなら実験も続けてほしいところ。
ただ、この実験結果を踏まえて「週5日勤務は生産性を下げるほど人間にとっては働きすぎであった」ということが分かり、フル労働に疑問を覚える自分の感覚はおかしくなかったことが証明されて嬉しいです！
日本で週休3日制は浸透するのか…？
週休3日制が雇用者・労働者どちらにとってもメリットがあるのはデータとして明らかになりましたが、日本で導入されるのはまだまだ先になりそうですね。
コロナなんて自体が起きてもテレワークをさせない企業も多かったですし、日本は新しいことに対して異常に拒否反応を示す文化なので仕方ありません…。
「新しいことなんていらない！今のままで（が）いい！」と言う選択を選んできた結果、日本が衰退しているのが現状なので、ここは思い切って週休3日制を当たり前とする国にしませんか！？岸田さん！？
これだけ「賃上げ賃上げ」言ってるのに賃上げしない企業は、労働者の給料そのままで「週5日→週4日勤務を当たり前とすること！明日から！」なんて言ってくれないかな〜。
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